「話しかけてこないの?」 しいちゃんの視線は、げた箱の中に向いている。 きっと、夏希がいるんだろう。 「うーん……なんか今さらって感じがするんだよなぁ……」 「でも、夏希くんは喜ぶと思うけどなぁ」 「そんなことないよ。夏希は友達といる方が楽しいって思ってるに決まってるよ。それに……」 今、夏希が一緒にいる人の中には女の子がいる? 女の子の友達なんて……夏希ならたくさんできるよね。 「彼女がほしい夏希に、幼なじみの存在は邪魔だもん」