ちょっと考え込みながら、コップを棚へと戻す。

買うのはまた今度でいいや。



「……夏希のこと、とか」

「えっ」



"てっきりふたりはカップルかと思ってたよ"とか言ってたな。


葉山くんって、爽やかな見た目と違って、グイグイくる感じがちょっと嫌。

というか、苦手。



「大丈夫、気にしてないから」

「陽菜……」

「やっぱりこれ買おうかなー!レジ行ってくるね!」



しんみりとした雰囲気を察して、あたしは明るい声でそう言いながら、近くにあったコップをテキトーに掴む。