近くにあったものを手にとってみる。


入れ物はハート型で、ふんわりと甘い香りがする。

わあ、いい香り……!



「いいね、しいちゃんに似合うと思うよ」

「え、あ、じゃなくて!陽菜は?どんなのが好き?」



あたしから香水を受け取って、慌てたように聞いてくるしいちゃん。


あたしが好きな香り……。

と、考えたとき、あることを思い出した。


その瞬間、頬が熱くなる。



「……っ、恥ずかし……っ」

「陽菜?どうかした?」

「な、なんでもない!」