夏希から目線を逸らして、なんとかそれだけ言えた。
こんなときなのに、夏希の真剣な表情にドキドキしてる。
あたしって、とことんバカだ……。
夏希はあたしの手首を解放すると、強い光を宿した瞳を向けてくる。
その瞳を見つめ返すことはできない。
向き合うことが、こわい。
「……変な勘違いってなんだよ。納得いかねぇ」
「言わなくても、わかるでしょ……!」
やだ。やめて。
自惚れるようなこと、言わないで。
夏希に好きな人がいるなら、諦めるから。
せめて、幼なじみでいたいから。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…