今、好きなのは大切な幼なじみ。


ツンってしてるけど、優しい。

幼い頃から変わらない笑顔を思い出す。



「そんな、謝らないでよ。古藤さんがなにをしたって言うんだよ」



ははっ、と爽やかな笑顔で笑う先輩。


よかった。

先輩が笑っても、胸はざわつかない。



「……あたし」

「ん?」

「森谷先輩のこと、好きでした」



なぜだか、言いたくなった。

未練とかじゃなくて、過去形で伝えるの。



「……ありがとう」



先輩は驚いたように目を見開いてから、相変わらず完璧な笑顔を見せた。