だから、うちの学校の生徒なんか特に見かけるわけだけど。


……まさか。



「森谷先輩だ……」



彼がいるとは、思いもしなかった。


横にいるしいちゃんが心配そうな顔をして覗き込んでくる。

わあ、近い近い。


しいちゃんから距離を取るように、あたしはスーパーの入り口へと向かう。



「えっ!行くの!?森谷先輩いるよ!」

「……別に平気だもん」



森谷先輩をスーパーのガラス越しで見かけて、全然大丈夫だって思った。


先輩を見てもなにも思わない。

吹っ切れてるって。



「森谷先輩、こんにちは」