俺のこと、好きっていいなよ。




むしろ……がんばらなきゃいけないのは、あたしの方だ。


ちゃんと自覚しなきゃいけない。

あたしの、好きな人……。



「また陽菜に教えてもらって作りたいなぁ……って言っても、陽菜こそがんばらなきゃいけないよね?」

「……え?」



テーブルの向かい側にいるしいちゃんを、ぽかんと見つめる。


しいちゃんは、ノートの上に投げ出していたシャーペンを握り直す。

それから、それをビシッとあたしに向けてきた。



「ぽかんとしちゃって!陽菜さ、夏希くんのこと好きなんでしょ?」