「森谷先輩ね、彼女がいたの」



そう口にした途端、しいちゃんはポカンとした表情で動きを止める。

それから、大きな瞳が驚いたようにパチパチとまばたきを繰り返す。



「え!?な、え、それ……っ、ほんとなの!?」



あたしはうん、とうなづきながら少しだけ微笑む。


しいちゃんがこんなに驚いて……。



「陽菜……大丈夫、なの?」



悲しそうな顔をして心配してくれたら。

あたしはもう、平気な気がするんだ。



「大丈夫だよ!新年になったことだし、新しい恋を見つけるから」