「陽菜ー!!ちょっと聞いて!!」



新学期。

"あけましておめでとう"よりも先に、あたしの名前を呼びながら近づいてきたしいちゃん。


な、なんだろう……?

そうとういいことがあったのかな!?


なんて思いをめぐらせながら、机の上にカバンを置く。



「クリスマスのことなんだけどね……」



小声でそう言いながら、教室内をキョロキョロ見渡すしいちゃん。


あたしの席からあやくんは離れていて、話を聞かれる心配はなさそう。

しいちゃんもそれがわかったのか、安心したように口を開く。