「俺、好きな人がいるんだ」



………。

えっ!!?


今、夏希が"好きな人"って言った!?

驚きすぎて、開いた口がふさがらない。



「えっ、夏希って好きな人いるの!?」



冷静になろうと、そう確認してみたけど、つい叫ぶ勢いで聞いてしまった。


だってだって!

夏希に好きな人がいるなんて、初耳なんだもん!


あたしの叫びに、夏希はハッとしたように動きを止める。


あたしたちの間に、冷たい風が吹く。

……その風は、焼きとうもろこしがすぐに冷めそうなくらい冷たくて、寒い。