ずっとあたりまえだったことが今さらうれしくなって、あたしは口もとに笑みを浮かべながら下へ向かった。


屋台とか出てるかな!?

おみくじ引きたいな〜!!


なんて考えながら家を出ると、寒そうにマフラーに顎をうずめている夏希がいた。



「……やけに楽しそうだな」

「陽菜ちゃん、あけましておめでとう!」



夏希の呆れたような声のあとに、今年最初の癒しボイスが聞こえた。


あったかそうなニット帽が可愛い。

似合いすぎてて、キュン死にしそう!


そう思いながら、颯希くんの頭をポンポンとなでる。