「やっぱり……」 泣いたせいで、目が腫れてる。 そんなにひどくはないけど……。 鋭い夏希には、絶対気づかれる。 だから、リビングに行きたくないよ……。 ーーコンコン。 だ、誰かきた!! 反射的にドアの方を向く。 「……陽菜?」 やけに優しさを含んだ夏希の声。 心配そうで、切なそうな……。 きっとお母さんに言われて、あたしを呼びにきたんだろうな。 やっぱり、行くしかないのかな……。