あたしはそれだけ言うと、先輩たちがいない方向に走りだす。



「陽菜!!」

「陽菜ちゃん!?」



ふたりの驚いた声を背中に受けながら、あたしは走ってショッピングセンターを出た。


そのまま駅まで走って、そこからはトボトボと歩いて帰る。

歩きながら、まだ半分くらい残っているたい焼きをヤケクソで口へ突っ込んだ。



「うぅ〜……」



やっぱり、誰かに失恋のことを話すべきなのかな。


あたしって弱い。

強くなりたいって思ってるのに、誰かに甘えたいと思うあたしは、やっぱり弱いんだ。