思わず胸辺りの服を握ったとき、衝撃の光景が目に入った。


夏希が視界に入る方向に、森谷先輩と峰岸先輩が並んで歩いている。

ふたりは手を繋いでて、遠くからでも仲のよさが伝わってくる。


……ダメだ、なんか泣きそう。

先輩のことは吹っ切ったつもりだったのに、こうやってデートしてるところを見ると……。


この場にいたくない。

だって先輩たち、このまま歩いてくるとあたしたちの横を通ることになる。


イヤだ……っ!!



「ごめん夏希!あたし、先に帰るっ」