「はいはい。つーか、たい焼き食いたいんだろ?俺が並んでくる」



夏希はそう言うなり、列の最後尾に行こうとする。


えっ!!

夏希が並ぶのはおかしい気がする!



「夏希は並ばなくていいよ!あたしが言いただしっぺなんだから!」



夏希の腕を慌てて掴まえて、そう言う。


あたしだって、そんなに鬼じゃないよ!



「俺が買ってやりたいから、いーの」

「でも……!!」



変なところで優しいんだから!!


腕を掴んだままむくれていると、夏希がパッと顔を逸らした。