俺のこと、好きっていいなよ。




たい焼きのいいにおいが鼻をかすめる。


ん〜!!

お腹空いてきちゃった!


なんて思いながら、カバンからスマホを取り出す。


颯希くんをひとりにするわけにはいかないし……。

夏希に連絡しないとね!



ーーガシッ。


「陽菜、逃げ足だけは速いよな」

「ぎゃっ!?」


背後から、頭をわしづかみされる。


い、いきなりなんだ!!

誰かなんて、声を聞いただけでわかるけどね……。



「夏希!頭掴まないでよ!」



体の向きを変えて、キッとにらむ。

隣で颯希くんもあたしの顔をマネてにらんでるのが可愛い。