見ていた洋服から手を離し、少し離れたところにいた颯希くんを手招きする。 再び颯希くんと手を繋いで、夏希にそう尋ねてみる。 「どうもしてねぇよ!ただ……」 やけに大きな声で否定したあと、意地悪そうな顔でニヤリとする夏希。 反対に、あたしの顔はひきつる。 「陽菜とデートしてくれるやつなんか、いないだろ?」 「なっ!いるよ!ひとりくらい!!」 まったくもって保証はないんだけどね。 ただの見栄。 あたしとデートしてくれる人なんているのかな。 そもそも彼氏ができるのかな。