「気持ち悪いってなんだよ!」

「なにって、そのままですけどー?」

「その言い方、すげぇ腹立つ!」



こんなくだらないことで言い合いなんかして、まだまだ子供だな。


カッコはおとなっぽくなった夏希だけど、中身は変わってない。



「陽菜ちゃん!おてて、繋いでもいい?」

「颯希くん……!癒し!繋ご繋ご!!」



颯希くんの小さな右手を握ると、握り返してくれる。


それから、颯希くんの左手は夏希と繋がれた。


ふたりのおかげで、元気が出てきた気がするよ。

そう密かに思いながら、あたしも歩きはじめた。