俺のこと、好きっていいなよ。




夏希が颯希くんの手を引いてリビングを出ていくから、あたしも慌ててあとを追った。


カバンを掴んで外へ出ると、カギをかけてふたりの方へ向く。



「……で、どこに行くの?」



そういえば、どこに行くか決まってない。

あたしの行きたいところは、特にないんだけどな……。



「とりあえず、どっかでテキトーに昼メシ食おうぜ」



その言葉に相づちを打ちながら、今さら夏希のカッコを見る。


濃いグレーのパンツに、オシャレなブーツ。

真っ黒なダウンジャケットをはおっていて、シンプルなカッコ。