――ガチャッ! ちょうど12時を回った頃。 玄関から、インターホンではなくドアが開く音が聞こえた。 身じたくを済ませて、のんびりとテレビを見ていたあたしは驚いて立ち上がる。 「ど、泥棒……!?」 どうしよう、今あたしひとりしかいないのに! 夏希と颯希くんと出かけることを話したら、うちの両親までデートに行っちゃったんだもん! ピンチ!! その場に立ちすくんでいる間に、リビングへ近づく足音。 「陽菜ー?もう行けるか?」