――ピーンポーン。


クリスマス当日、午前8時半。

静かなウチの中に、インターホンが響いた。



「へ?こんな朝から誰!?」



あたしはたった今口に入れようとしていたパンを置いて、玄関へ顔を向ける。


日曜日だからってお母さんとお父さんはまだ熟睡中だし……。

あたしが出るしかない、か。



「……はい?」

『陽菜ちゃーん!!』



受話器を耳に当てると聞こえてきたのは、可愛らしい声。


この声、颯希くんだ!!

あたしは颯希くんだとわかると、受話器を置いて玄関へ走った。