齧り付いて、内出血


「僕は…」


『え、悩まないで。』

「22か、23?それくらい。保険証見ないとわからない。」

『…それ無頓着を通り越してるよ。おじいちゃんじゃないんだから。』


そう言っても、トキワはきょとんとしていた。

大したことじゃないじゃん、みたいに。

信じられない。こんな不安定な人が2つか3つも年上なんて。


「こんなので良ければいいよ、友達。」

『うん。あのさ、お礼してくれるんでしょ?』

「したくなった?」


『違う』ときっぱり言うと、柳眉を寄せて、訝しげな顔をした。

本当にわからないらしい彼が、悲しい。


‘岡部さん’に会った日のことを思い出した。


私はからだを許しても何もしてもらえなかったのに、何もしてない彼女が優しくされるのはずるい、そう言った私に久世は言った。


優しさは交換するようなものじゃないだろって。

お礼も、同じことだと思うんだ。