齧り付いて、内出血


「世の中物騒なんだから鍵くらい閉めなさい。」


がらりと窓が開けられて、同時に背後から聞こえた声に危うく煙草を落としかけた。

えええ、鍵閉めてなかったっけ!?


「じゃないと、こういう悪い男が入ってきちゃうだろ?」


声の主なんて確認するまでもない。

私の頭を悩ますニヒルな男。


『それは良くないから警察呼ぼうかな。』

「未成年喫煙者がここにいますよーって?」


細身のスーツをさらりと着こなして、少しくせのある黒髪は片方だけ耳にかけて。

認めたくないけれど最高にきまっていた。


でもそんなことより。

『私がまだ未成年だって知ってたんだ。』

「そこのカレンダー見た、ら、もうすぐ誕生日だって?」