午後の講義が休講になったから真っ直ぐ家に帰ることにした。
大学がいわゆる学生街になっていて安いお店がたくさんあるからそこで食べる日もあるけれど、今日のお昼は昨日の夜に作ったスープがあるからそれと食パンを一緒に食べよう。
そんなことを考えながら20分ほど歩くともう着いてしまう。
歩くのが好き。
気持ちが良いし、色々なことを考えられるから。
ひとりなのに、独りじゃないから。
2階の角の部屋が私の部屋。
お昼ご飯のことを考えながら帰って来たのに家に入った途端気が変わってしまい、気づけば煙草に手を伸ばしていた。
ベランダの洗濯物を取り込んでから、煙草に火をつける。
私はメンソールが好きだ。
すーっとするから、煙草を初めて吸った日から不快に思ったことは一度もない。
他人が吸っている時は煙いと思うのに、自分が吸っているとそうは思わない。
我ながら勝手な理論だ。

