年末に1年間を振り返った時、誰かが言っていた、人生は何が起こるか分からないって、本当にそうだと思った。

まだ女子校に通っていた時、県の中では偏差値が高いといわれている男子校で学校一のイケメンと呼ばれていた自慢の彼氏がいたからだ。過去にはすがりつきたくないが、度々思い出に浸ることはある。未練ではない。断じて。

彼にとって私は初めての彼女だったらしい。

私が「会いたい」って言うもんなら「待ってて。すぐ行く。」

私が「好きだよ。」って言うもんなら「好き。好き。愛してる」だなんて言ってトラみたいなシワ作って私を抱きしめていた。

キスしてしまえば、息を荒げてディープを我慢するような。

私のことが大好きで大好きで仕方ない犬のような彼氏だった。
手招きするとしっぽを振って走ってくる。なのに違和感を感じていたのだ。私の中で、何か違うって叫んでた。

生理的に無理?それは違った。
けどもっと何か違うものがあった。
根本的に。物足りなさなのかもしれない。私はなんて残酷なんだ、と思い悩んだけれど、別れを告げたのだった。

最後に彼は言っていた 怒鳴り散らした後に 「つらくなるからもう二度と俺の目の前に現れないでね。」って。そう言って電話は切れた。別れたらもう他人になっちゃうのね。ふーん。そんなもんか。なんて言いながら私も泣いていた。彼はもっと泣いていた。泣いてないって言ってたけど。