「そこで、お願いなんですけど」



黒田くんがあたしの手を取った。



「えっ、なに?!」



ここ廊下だけど!みんな見てるけど!!



「逢沢先輩も、協力してくれませんか?」



「え?」



「僕1人じゃ、心細くて」



しゅん、と黒田くんが肩を落とした。



……たしかに、不安だろうな。



いきなり、しかも2年生で
風紀委員長を任せられたんだから。



注意する相手に、3年生いるしね。