隣の悪魔はご機嫌ナナメ




「へえ、幼なじみ」



「あ、はい……」



特に驚くわけでもなく。



まるでもうすでに知っていたかのような反応の音さん。



でもまだ紹介してなかったんだよね……?


なんなんだろうこの違和感。



横にいる真里もなんだか居心地が悪そうで、心配そうにあたしたちを見ている。



「それで、こちらが……」



「青久の婚約者の浅香 音(あさか おと)です」



青久が言う前に、音さんはそう言って微笑んだ。


まるで花がそこに咲いたかのように。