隣の悪魔はご機嫌ナナメ




「……え?ああ、そうだった。紹介がまだだったな」



音さんに急かされるように、青久はあたしと真里の前まで足を進めた。



ほんの少しの距離なのに、その足取りは重い。



あたしの気持ちも重かった。



だってこの人が、青久の大切な人なんでしょう。



予想が確信に変わる瞬間だった。
どうせなら会いたくなかった。



会わなかったら、信じずに済んだかもしれないのに。神さまは残酷だった。



少し焦ったような青久の顔が、あたしをどうしようもない気持ちにさせる。