「なにか、連絡できない事情があるんじゃない?」



お祭りの屋台から少し離れた河川敷に座り、真里と話を続ける。



「連絡できない状況って、どんなときなんだろう」



そこがよくわからなかった。



携帯が壊れたとか、番号が消えちゃったとか?



「うーーん。どうだろう。話きいてたら携帯の故障は考えにくいかな」



「じゃあ……」



「女の人が関係してるんじゃない?音さん」



真里の言葉にピクリと反応するあたし。



一番、聞きたくなかった名前。
認めたくなかったこと。