「全然よかったのにね」 体育祭も終わり、下校する生徒たちの中であたしは青久とふたりで帰路に進む。 「よくねえよ。お前、危険な目に遭わされたの忘れたか?」 あたしの頭を拳でコツンと叩いて、青久が怒ったように言う。 手にはあの貼り紙が握られている。 「ゔ、ごめんってば」 「でも、はるが無事でよかった」 にっこり笑って差し伸べてくれた手を、ぎゅっと握る。 「……来てくれてありがとう」