何言ってるの?



そう思ったときには顔が近づいてきていて。



ーーーうそ!!青久!!!!!



何もできずにあたしはぎゅっと目を閉じた。




「………………?」




何かが起きるどころか、抱きしめられていたはずの体が軽くなって、静けさが辺りを包む。



あれ、何が起きてるの?
あたし目を開けてもいいのかな?



ゆっくりと目を開けて、それからあたしはますます目を見開いた。



「え……」



そこには、いるはずのない人物が、かなりの形相で黒田くんの肩を掴んでいた。



うそでしょ、なんで。