「1年間、ずっと近くで見てきたんですよ。なのに逢沢先輩、別の人と付き合ったじゃないですか」 「それは……」 「悔しかったんです。逢沢先輩が僕を見てくれないから」 ああ、そういうことか。そうだったのか。 黒田くんの気持ちが初めてわかった気がした。 「ごめんね……」 「いいんです。逢沢先輩の気持ちが僕に向かないことは、最初からわかってましたから」 「黒田くん……」 「だから、これをしたのも僕です」 黒田くんが差し出したのは、例の貼り紙。