「いつも見ているからですよ」 「え……」 いつも、見てるって、それは……。 「気づいてなかったんですか?僕の気持ち」 「僕の、気持ち?」 なにそれ、どういうこと……。 「わからないですよね。逢沢先輩は僕のことなんて見てくれていないから」 何を言ってるの……。 黒田くんを見て、あたしは何も言えなくなった。だって……。 「どうしてそんな……悲しい顔してるの」 黒田くんがあまりに泣きそうな顔をしていたから。