一回納得して、それから背中がゾワッとした。 待って、おかしいよ。 そんなはずないのに、どうして? 「どうして……あたしが運動苦手なこと、知ってるの?」 まるであたしのことはなんでも知っているような、そんな口ぶりで。 それが当たり前かのように。 「知らないはずないじゃないですか」 「え……あたし、しゃべったっけ?」 一緒にいるときに、そういうことを知らない間に言っちゃったんだっけ? 恥ずかしいけど、それなら納得できる。 「いいえ。何も聞いてませんよ」