隣の悪魔はご機嫌ナナメ




……出るわけないよなあ。



「はあ、どうしよう……」



「逢沢先輩?」




ひとりごとを言っていたちょうどその時、
あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。



え、この声ーーーーー。



とっさに振り向いて、後悔した。



ーーーーーーあ。



「くろ、だ、くん」



「ここで何してるんですか?」



今、一番会いたくなくて
でも会わなければいけない人。



「ん、ちょっと疲れちゃって……」



「逢沢先輩、運動苦手ですもんね」



「うん……って、え?」