「体育祭がいやなの?運動苦手とか?」 ひとりでいろいろしゃべってる月本さん。 たしかに運動は苦手だけど、だからってここでこんな風に泣いたりしないでしょ。 優しさかどうかはわからないけど、そんな態度を貫く月本さんに、あたしはなんだか笑顔になった。 「ん?どうして笑ってるの?」 「なんでもない。ありがとう、月本さん」 「さちでいいよ、はるちゃん」 にっこり笑って、さちちゃんはそう言った。 可愛い子だな、ほんとに。 「うん、さちちゃん」 とりあえず、あの紙のことどうにかしなきゃな……。