「ふーん」 「……他には?」 「え?なに、慰めてほしいの?」 「……できれば優しくお願いします」 「ばぁか。私言ったじゃない。あんな男絶対だめよ、って」 私、そういう感は当たるんだから! 大人っぽすぎることもなく、かといってがちゃがちゃした雰囲気でもない。私たち女二人で飲みたいときによく使うこのお店は、今日に限って少し混んでいた。 頼んだジントニックが空になった。氷だけがぶつかる音がグラスから響く。