携帯電話のデータフォルダには、ムービィが1つ入っているだけで、自分で消去したのか他には何も無かった。
私は少なからず落胆したが、1だけ入っていたムービィを再生する事にした。
データフォルダを開き、ムービィを選択すると再生を始めた…
録画時間は22秒と短い。
最初に薄曇りの空が映り、カメラが平行になると遠くに山やビル、それに民家の屋根が映し出された。
これは、どこかの高台…いや、薄汚れたコンクリートの床が端に映っている。これはビルの屋上だ。
なぜこんな場所を、無言で撮影しているのだろう?
そんな私の疑問は、ムービィが終わる3秒間でハッキリとした。
私の顔が映り、一言だけ呟いた…
「私…死ぬから」
私は自分のセリフに戦慄を覚え、全身に鳥肌が立った。
死ぬ…
私は死んだの?
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