「私物…」
私物と言えば、少しばかりのお金が入った財布と、電源が落ちた携帯電話しかない。
「私物といっても、あるのはお金以外何も入っていない財布と、携帯電話くらい。
携帯電話っていっても、電源は落ちてるし、仮に充電出来てもロックされてて暗証番号が…」
「携帯電話があるの?」
ライターは、驚いた様な表情で聞き返してきた。
「は、はい」
「それなら、名前や住所も直ぐ分かるよ。
知り合いに携帯電話のショップをしている人がいるから、その人に携帯電話の復旧と個人情報を流してもらうよ。
僕を信じて携帯電話を渡してくれれば、調べてまた持ってくるよ」
「はい…」
私は携帯電話を渡す事に躊躇したが、自分が持っていても何の役にも立たない。
一拍おいて私は答えた。
「ちょっと待っていて下さい。持って来ますから…」
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