建物の中に逃げ込もうか?
いや、きっと警報装置が着いている筈だから、警備会社が来るに違いない。そうなる衝動的とはいえ、ライターを殺害してしまった私も捕まってしまう。
それは出来ない…
足の傷が脈と同時に痛み、思考を混乱させる。徐々に足先の感覚が薄くなってくる。
その時、正面の暗闇に小さな赤い光が見えた。
目を凝らして確認しようとした瞬間、耳元を空気を切り裂く音が通り抜け、顔の10センチ程横のガラスに矢が突き刺さった。
その反動でガラスが割れ、甲高い音を立てながらコンクリートの上に次々と落ちてきた。
そのガラスの破片が私の頭の上にも降りかかり、一部が首の後ろを滑り落ちる際に裂傷を作った。
チリチリとする痛みに手を回すと、ザラザラとした触感と共に手が赤く染まった。
私はもう考える事を止め、右足を引き摺りながら建物の中に飛び込んだ。
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