「即、消滅の刑とする」
「消滅!?」
梓の声が裏返った。
「もちろん、ここのことは誰にも言うつもりはないよ。サラやルカ様の安全が掛かってるから。でも、その、消滅って……この世から消されるってこと?」
焦ってる梓は言葉の途中途中で何度もつばを飲み込んでいた。
「はい。梓さんのおっしゃる通り、消滅とはこの世から消えるということ。この世には、元々存在していなかったことになります」
「それって、あたしの両親も、あたしを忘れるってこと?」
シキは、梓の質問にしっかりと頷いた。
「わ、わかりました。そんなにおおごとになるんだ」
「もう少し、悪魔と人間が共存できるようになれば良いのですが、今の現状ではまだこのように厳しく管理していくしかないのですよ。それが、悪魔にとっても人間にとっても一番良い方法なのです」
そう言って、シキはふたりの前に朱肉を置いた。
「この内容に納得ご理解の上、下に署名したあと、その横に拇印をお願い致します」


