「ちょっと、待って。一旦整理させていい?」
応接間で、シキの説明を聞いていた梓が、目を瞑って人差し指をピンと立てた。
シキは、梓の言葉に「ええ、結構ですよ?」と頷く。
梓は庵可くんと隣同士で深く座らせた体を、頭を整理させようと浅く座りなおした。
「ルカ様は悪魔の王子で、人間嫌いだと思われていたルカ様には心の教育係が必要だった」
どこかの探偵のようにゆっくり言う梓に、周りがコクンと頷く。
「そこで採用されたのが、サラ」
梓は、テーブルを挟んで目の前に座るあたしを指差す。
「さっき現れたヘイリ様とルカ様は兄弟なのにすごく仲が悪くかったけど、今はきちんと仲直りをした」
うん。あたしは、深く頷く。
「ルカ様の心が元に戻り、兄弟も仲直りをして、契約上、サラは普通の生活にもどらなくちゃいけなかったんだね」
「うん。そう」
あたしは微笑んで細かく頷く。


