「なんとまぁ!!本当にいらしていたのですね!!どうしてここがおわかりに!?」
梓と庵可くんを見て、シキが目を丸める。
さっきルカに説明をした梓も庵可くんも、あたしに助けを助けを求めるように肩をすくめてあたしを見た。
「シキ、あたしが説明するから、あとは、シキが分かりやすくここのことをこのふたりに説明してくれる?」
あたしは顔を歪めてシキに言った。
「ええ、もちろんでございます。それより、サラ様お怪我はございませんか?先程、ルカ様がサラ様の傷を見るよう、心配なさっていたので」
あれで、心配してたのか?
あたしに手を差し伸べようともしなかったくせに。
あたしはチッと舌打ちを打った。
「とりあえず、屋敷に移動しましょう。お茶を淹れなおします。ヘイリ様はいかがなさいますか?」
「私はもう魔界に戻るとするよ。あまり長居すると父上に叱られてしまうのでね」
そう言って、地面の中に吸い込まれるようにして、セドリックとふたり地面の中に消えて行った。
それを見て、梓と庵可くんは自分の足元は大丈夫かと、自分たちも地面に落ちないように心配していた。


