「おいブス」
ルカはイライラとして口調で、地面に尻もちをついたままのあたしに声を落とした。
「こいつらに、きちんと説明をしておけ。あとはシキに任せるから」
そう言って、ルカは白いシャツを風に揺らしながら屋敷の方へ歩いて行ってしまった。
「相変わらずアイツも短気なものだな」
ルカの背中を見て、ヘイリが肩をすくめて苦笑している。
「おまえも、まだルカからブスって言われいるのか?惨めな物だな。おまえルカの女のなったのだろう?関係が変わってもブスと呼ばれるとはな。まぁ、その通りだからどう呼べばいいのか困るけれども」
……コイツ。
少し性格はマシになったけど、言うことは何一つ変わってないんだから。
「でも、この優しい私はいくらブスだからといって女性が地面にずっと座りっぱなしっていうのは見ていられないね。ほら、手を貸しなさい」
ヘイリは嫌味を言いながら、あたしに手を差し伸べてきた。
「ヘイリ様、なんとお優しい。さすが後継者でございます」
また始まったよ。


