「……なに?今、どうやってこの人達現れたの?」
梓の表情が強張っている。
そうなるはずだ。
突然、目の前に姿を現したのだから。
「ね、ね、今、魔界って言いました!?」
不信感を積もらせる梓とは裏腹に、庵可くんはキラキラと目を輝かせいる。
好奇心旺盛の子犬のように見える。
「魔界って、もしかして……悪魔……ってこと?」
庵可くんは、顎に手を当て探り探り言う。
……もうダメだ。
全てバレてしまった。
どうすんだよ……。
「魔界!?悪魔!?」
さっきまで顔を青ざめさせていた梓は、庵可くんの言葉に反応して今度はパァっと表情を明るめる。
「あたし知ってます!!マンガで読んだので!!」
……ああ。
あの、『悪魔に夢CHU!?』ってヤツね……。
「え!?待って!?本当に魔界って存在するんですか!?てことは何!?ルカ様は悪魔!?え!?は!?うっそ」
梓は完全に興奮して頭を混乱させてる。
ルカはこの状況に面倒くさそうに目を閉じ、首をひねった。


