嘘だろ、おい。


追いかけなくていいから!!


「いいね!!ルカ様宅の調査は一旦、タスクくんにお願いしようよ!!」


梓の突然の提案に、ルカの周りに集まったクラスメイト達が一斉に頷く。


あたしはひとり、項垂れて細かく首を振った。


本当に、正体がバレたらどうするつもりなの?


さすがに、あたしでもフォロー出来ないからね!!


あたしはこれ以上、人だかりが出来ないように、ルカに目で訴えて教室を出た。


信じられない。


本当に、なんちゅう発言をしてくれるわけ?


どうして屋敷に住んでる本人より、あたしがこんなに心配して気を使わなきゃいけないわけ?
あり得ない!!


「何をそんなに怒っているのだ」


正門前で待っているシキの元へ歩きながら、後ろからルカが呆れたように声を駆けてくる。


あたしは早歩きの速度を落とさず、「別に?」と振り返りもせず答えた。