「お~い。入れ~」
太一がやる気のない声をドアの向こうに掛けると、教室の前のドアが、ゆっくりと横に開かれ”イケメンの転校生“が姿を現した。
「……ッ!?」
ガクッ。と、頬杖から頬が落ちる。
細身の長身、透き通るような白い肌。それに、人目を惹くサラサラの金髪に、キレイなグリーンの瞳。
日本人離れしたその異国の顔立ちに、一瞬みんなが息をのみ、まるで時差が生じたようにしばらくしてから奇声が上がった。
梓なんて、目の前にいるイケメンに、失神寸前のように体を震わせて叫んでいる。
……え?
……なに?
なに……あの人……。
ド、ド、ド、ド、ド、ドと、いきなり速度を増す心臓。
見開いた目はなかなか瞬きが出来なくて、どんどん涙が溜まっていく。
……どこかで、見たことある気が……。


