「でも……契約書に書かれていることは絶対なんでしょ?そうシキが言ってたじゃん!!」
「どうでもいい」
「どうでもいい…って」
魔界の王子なのに、めちゃくなことを言いやがって。なんて思ったけど、内心、とても嬉しかった。
ルカが、あたしを追いかけてきてくれた。
心臓が爆発しそうだ。
恋愛になんて興味ない。
男子なんてどうでもいい。
ましてや、“魔界の王子”なんて、うさん臭いヤツは論外だ。
それなのに……。
こんなにも愛しくて。
こんなにも苦しくなって。
こんなにも、離れたくなくなるなんて。
あたし、もしかして、魔力にやられた?
「サラ。俺は、苦しかった。おまえが人間界へ戻ってから、苦しくて苦しくて狂いそうになった」
「……ルカ」
「俺がこの手で、人間界へ戻したというのに……。怖くて…仕方なかった」


