「庵可!大丈夫か‼目を開けろ‼」


ぐったりと倒れる庵可くんの体を揺するヘンリーに、セドリックとシキは近づきいつでも攻撃が出来るように構えた。


「もう、諦めろ。おまえ達は終わりだ」


セドリックの低い声。


「契約書を覚えているか?」


今度はシキが強く声を出した。


……契約書?


庵可くんと梓が屋敷に迷い込んだ時に、交わした契約書……?


確か……。


“ここでの生活は決して口外しないこと。ルカ様、サラ様、そしてここで働く私共全ての者に、危害を与えない”


“これらのことを守れなかった場合には”


“即、消滅の刑とする“


「あなた達は、私達に大きな危害を加えた」


「…………」


「よって、今ここで、消滅の刑を執行する」


シキが言うと、ヘンリーは乾いた笑いをもらした。