「助けに来たとしても、魔力を封じられているから、あんたを助けることもできない」
「…………」
「残念だ……。本当は王子の目の前で殺すつもりだったが、邪魔者が入らないうちにとっとと始末してしまうかな」
庵可くんはそう言うと、ポケットから手を出しあたしの前にかざした。
「せっかくなら、日食まで待ちたかったなぁ。念入りに立てた計画が台無しだ」
「…………」
「でもまぁ、あんたを殺せるんだ。よしとしよう」
庵可くんが言った瞬間、彼の手に丸い光が出来始めた。
それはビリビリと電気を帯び、あたしに向かって飛んで来たんだ。


